マブチメディカルクリニック

ピロリ菌（ヘリコバクター・ピロリ）は胃の酸性条件下でも生きられる特殊な細菌です。ピロリ菌感染は世界最大の新興感染症といわれており、特に我々日本人を含むアジア人で感染率の高い病原菌です。萎縮性の胃炎を起こしたり、その他の胃腸消化器症状の原因となることが知られています。

ピロリ菌が世界最大の感染症たる所以は、胃がんの80％はピロリ菌感染が原因といわれており、胃がんのリスク要因であると示されていることにあります。胃がんは世界の部位別死亡数でも上位を占める疾患です。胃がん患者でピロリ菌が高率に検出されることや、ピロリ菌除菌により胃がん再発が抑えられることが報告されており、さらには除菌治療によって胃がん発症率を下げられることがわかっています。

ピロリ菌は除菌できます。胃酸分泌抑制剤と抗生物質2種を用いた標準治療法が確立されています。多くの場合、この治療法で除菌できることがわかっています。自覚症状のない感染症ですが、早期のリスクチェックにより、除菌治療を実施することができれば、胃腸症状や胃がんの発症リスクの軽減に期待がもてます。

ピロリ菌リスクチェックで陽性の疑いがでたら…
医療機関で精密検査を実施し、胃カメラやピロリ菌の診断検査を実施して、除菌治療などの予防にお役立てください。

※ピロリ菌の除去処理直後は、抗体価低下に時間が掛かるため陽性と評価される場合があります。また、ピロリ菌の除去が成功していたとしても、陽性と評価される場合があります。